2006年09月
翠山会山行計画(予告) 今年は念願の南アルプス深南部・黒法師岳に登りたい。もちろん深南部の山なので大井川、寸又川流域からの登山だ。前黒法師岳(前法師)が一般的だ。他のルートは山犬段からの赤石基幹林道経由は現在ではかなりハードである。となると南からだとやはり大間川水系に着目する!登行、標高差900Mで黒法師岳山頂にたてるルートを下見してこようと思う。
日本山岳会SP翠山会・山行50
南アルプス不動岳 月明 3
朝ガスが出たときには天気がよくなることが多いので、しばらく様子を見ることにしよう。ウグイスが鳴いている。こんな高い場所にもやって来るのか。日が昇ったようだが、ガスが晴れない。しかも寒い。生涯に2回しか食べたことがない味噌ラーメンを食べたくなったぐらい寒い。味噌ラーメンは持ってきていないので豚骨ラーメンをつくる。狭いテントの中で、こぼさないように慎重につくる。燻製玉子と焼豚を入れて完成。温かい食べ物がありがたい。6時になったがガスの晴れてくる様子がない。仕方がないので下山の準備。テントのポールをたたんでいると、2本とも同じ位置で曲がっている。昨夜の早い時刻に、相当な風が吹いたようだ。こっちは酔っ払って寝ていたので気がつかなかったが、テントを吹き倒されなくてよかった。6時17分、下山を開始する。まっすぐ南に下るのだが、ガスで視界が利かない、目標の鎌崩の頭が見えない。出だしを間違えると東か西の谷筋に入ってしまう。そうなったら登り返すのが大変だ。尾根筋をはずさないように慎重に下っていく。最初の赤テープを発見、正しいルートを通っている、よかった。ほっとする。西風が強く冷たい。風にのってガスが体につくと、一瞬で凍る。霧氷だろう。温度は何度なのだろうか、とても5月とは思えない。2,000㍍から上は冬だ。鎌崩の頭の登りがつらい、本当に息が切れる。6時57分、鎌崩の頭につく。後は下りだが急斜面に雪がある、笹につかまりながらゆっくり降りよう。まだガスは晴れてこない。太陽がぼんやりとガス越しに見える。薄くはなってきているようだ。7時30分、1,863㍍のガレの頭につく。やっとガスも晴れてきた。登りのときと同じようにいい眺めだ。しばし休憩。ここからはあと1時間半ほどで下れるはずだ。それでも下りではルートを外しやすい、赤テープを先へ先へと確認しながら、下っていく。樹林帯に入ると天気がいいだけに、暑くなってくる。水をがぶがぶと飲む、あと300ccぐらいの残量だ、よく飲んだものだ。8時57分、やっと林道に降りた。さあ水場にいって、新しい水で今朝の紅茶を飲もう。平成18年5月3日(水)、4日(木)
南アルプス不動岳 月明 3
朝ガスが出たときには天気がよくなることが多いので、しばらく様子を見ることにしよう。ウグイスが鳴いている。こんな高い場所にもやって来るのか。日が昇ったようだが、ガスが晴れない。しかも寒い。生涯に2回しか食べたことがない味噌ラーメンを食べたくなったぐらい寒い。味噌ラーメンは持ってきていないので豚骨ラーメンをつくる。狭いテントの中で、こぼさないように慎重につくる。燻製玉子と焼豚を入れて完成。温かい食べ物がありがたい。6時になったがガスの晴れてくる様子がない。仕方がないので下山の準備。テントのポールをたたんでいると、2本とも同じ位置で曲がっている。昨夜の早い時刻に、相当な風が吹いたようだ。こっちは酔っ払って寝ていたので気がつかなかったが、テントを吹き倒されなくてよかった。6時17分、下山を開始する。まっすぐ南に下るのだが、ガスで視界が利かない、目標の鎌崩の頭が見えない。出だしを間違えると東か西の谷筋に入ってしまう。そうなったら登り返すのが大変だ。尾根筋をはずさないように慎重に下っていく。最初の赤テープを発見、正しいルートを通っている、よかった。ほっとする。西風が強く冷たい。風にのってガスが体につくと、一瞬で凍る。霧氷だろう。温度は何度なのだろうか、とても5月とは思えない。2,000㍍から上は冬だ。鎌崩の頭の登りがつらい、本当に息が切れる。6時57分、鎌崩の頭につく。後は下りだが急斜面に雪がある、笹につかまりながらゆっくり降りよう。まだガスは晴れてこない。太陽がぼんやりとガス越しに見える。薄くはなってきているようだ。7時30分、1,863㍍のガレの頭につく。やっとガスも晴れてきた。登りのときと同じようにいい眺めだ。しばし休憩。ここからはあと1時間半ほどで下れるはずだ。それでも下りではルートを外しやすい、赤テープを先へ先へと確認しながら、下っていく。樹林帯に入ると天気がいいだけに、暑くなってくる。水をがぶがぶと飲む、あと300ccぐらいの残量だ、よく飲んだものだ。8時57分、やっと林道に降りた。さあ水場にいって、新しい水で今朝の紅茶を飲もう。平成18年5月3日(水)、4日(木)
日本山岳会SP翠山会・山行49
南アルプス不動岳 月明 2
どこかに荷物を置いて頂上を往復しようと、適当に歩いていたら、山頂に向かう尾根筋に入ってしまった。鹿ノ平は思ったより狭い場所だ。そのまま尾根筋の藪をすすむ。やがて笹丈も低くなり立ち枯れの木がまばらにある急斜面に、山頂への道がはっきりしてくる。串ダンゴのような山名板が見えてきた、頂上も近い。午後1時47分、頂上に着いた。狭い山頂、北側の斜面には雪がべったりついている。正面には真っ白な聖岳と上河内岳が見えている。それ以外には樹が邪魔をして眺望がきかない。登ってきた方角には鎌崩の頭と黒法師、西に見えるのは奥三河の山々か。もっと晴れていれば太平洋まで見えるのかもしれない。おにぎりを食べて、さて鹿ノ平に戻ろう。2時30分、笹薮の中のくぼ地に着いた、ここだけは笹がない。地面が少し湿っているがテントを張れるのはここだけだろう。3時、テントを張って泊る支度ができた。いい天気だ、テントの中は暑くていられないので、外の倒木に腰掛けてウィスキーを呑もう。スペイサイドのモルト「グレンマレイ」の山水割だ。3口でカップ一杯呑んでしまう、うまい。山ならではの味わいがある。サラミとチーズをクラッカーにのせて食べる、脂っこさがモルトとよくあう。2杯目を呑み終ったところでふわりと酔ってきた。全身が同じような状態で酔っている、いい感覚だ。4時、西側の谷からすごい勢いでガスが吹き上げてくる。この辺の山では夕方にかけていつもこんな天候になる。この時間まで行動していると危険があるだろう。呑みながら周りを眺めていると、生えている樹がみんな東に向かって傾いている。どうもものすごい西風が吹く場所のようだ。樹の数が少ないのも風のせいではないだろうか。あたりが少し暗くなってきた、肌寒い。ガスで体も湿気てきた、寝袋にもぐりこむとしよう。夜中目を覚ますと、月の光であたりが銀色だ。明るい、不動の山頂まではっきり見える。月の光で自分の影がくっきりと地面に映る。子どものとき以来の経験だ。もう一眠りして今度は2時ごろに目が覚めた。月は沈んでいる。今度は星がすごい。白鳥座が大きく天の真中にかかっている。雲がたなびくように見えているのは銀河だ。しばらく空に見とれてしまった。冷える、日の出まで眠らなくては。午前4時44分、起床。テントから顔を出すとすごいガスだ。周りが見えない。このガスではルートを見失う恐れがある。
南アルプス不動岳 月明 2
どこかに荷物を置いて頂上を往復しようと、適当に歩いていたら、山頂に向かう尾根筋に入ってしまった。鹿ノ平は思ったより狭い場所だ。そのまま尾根筋の藪をすすむ。やがて笹丈も低くなり立ち枯れの木がまばらにある急斜面に、山頂への道がはっきりしてくる。串ダンゴのような山名板が見えてきた、頂上も近い。午後1時47分、頂上に着いた。狭い山頂、北側の斜面には雪がべったりついている。正面には真っ白な聖岳と上河内岳が見えている。それ以外には樹が邪魔をして眺望がきかない。登ってきた方角には鎌崩の頭と黒法師、西に見えるのは奥三河の山々か。もっと晴れていれば太平洋まで見えるのかもしれない。おにぎりを食べて、さて鹿ノ平に戻ろう。2時30分、笹薮の中のくぼ地に着いた、ここだけは笹がない。地面が少し湿っているがテントを張れるのはここだけだろう。3時、テントを張って泊る支度ができた。いい天気だ、テントの中は暑くていられないので、外の倒木に腰掛けてウィスキーを呑もう。スペイサイドのモルト「グレンマレイ」の山水割だ。3口でカップ一杯呑んでしまう、うまい。山ならではの味わいがある。サラミとチーズをクラッカーにのせて食べる、脂っこさがモルトとよくあう。2杯目を呑み終ったところでふわりと酔ってきた。全身が同じような状態で酔っている、いい感覚だ。4時、西側の谷からすごい勢いでガスが吹き上げてくる。この辺の山では夕方にかけていつもこんな天候になる。この時間まで行動していると危険があるだろう。呑みながら周りを眺めていると、生えている樹がみんな東に向かって傾いている。どうもものすごい西風が吹く場所のようだ。樹の数が少ないのも風のせいではないだろうか。あたりが少し暗くなってきた、肌寒い。ガスで体も湿気てきた、寝袋にもぐりこむとしよう。夜中目を覚ますと、月の光であたりが銀色だ。明るい、不動の山頂まではっきり見える。月の光で自分の影がくっきりと地面に映る。子どものとき以来の経験だ。もう一眠りして今度は2時ごろに目が覚めた。月は沈んでいる。今度は星がすごい。白鳥座が大きく天の真中にかかっている。雲がたなびくように見えているのは銀河だ。しばらく空に見とれてしまった。冷える、日の出まで眠らなくては。午前4時44分、起床。テントから顔を出すとすごいガスだ。周りが見えない。このガスではルートを見失う恐れがある。
日本山岳会SP翠山会・山行48
南アルプス不動岳 月明 1
寸又川支流、逆河内の林道17キロのあたりから西南の方向に、なだらかな稜線を引いてよく目立つ大きな山容が見える。標高2,171㍍の不動岳だ。登山道としては水窪側から戸中の林道をたどってゲートから7キロの地点に登山口がある。5月3日、午前6時45分水窪ダムをバイクで発つ。寒い。頂上付近にはまだ雪が残っているだろう。7時30分、ゲートより5キロ標識の場所で大きな落石。バイクでも通過できない、仕方がない歩くとするか、あと2キロだけだ。少し戻って開けた場所にバイクを置いて歩き出す。落石の上を乗り越えていくが岩の断面が鋭くて手をつくのが怖い。ほどなく黒法師岳登山口、連休だからこの山に登る人はたくさんいることだろう。葵沢を渡って小屋の前で水を汲む、2リットルのペットボトル2本に水を満杯にする。ついでにおにぎりを一個腹に収める。8時15分、登山口の指導標から植林帯の中を登り始める。暑い。のどが激しく渇きそうな天候だ。荷物の重さが20キロぐらいはあるはずだ。水が4リットルにテント、シュラフ、ウィスキーがボトル一本、チーズやサラミ、鍋にコンロ。今夜は2,009㍍の鹿ノ平に泊まる予定なのでゆっくり行けばいいのだが、重さがこたえる、早く軽くしなくては。30分も登ると天然林になるが笹が姿を現してくる。汗がすごいので水をどんどん飲んでいく。4リットルあるからなくなることはないだろうが、飲む量もかなりのものだ。笹と雑木の急な登りを赤いテープの目印を頼りに進んでいく。テープがなかったらとても登れる自信はない。よく付けたものだ、どんな人たちが付けたのだろうか。11時、1,863㍍のガレの頭に出る、眺めがいい。右からバラ谷の頭、黒法師、丸盆、鎌崩(かまなぎ)とよく見える。だんだん笹が深くなり、傾斜も急になってくる、残雪も出てきだした、笹につかまりながら体を持ち上げていく。最後の急傾斜を登って12時ちょうど、鎌崩の頭に出た。少し南にいった鎌崩岳山頂にはかなりの雪がある。鎌崩の頭から緩やかに上下する尾根を北に向かっていく、雪に足を踏み入れるとスッポリ膝までもぐってしまう。雪を避けながら踏み跡とテープを頼りに尾根をすすむ。正面に鹿ノ平が見える。不動岳山頂はそのむこうだ。鹿ノ平直前で笹が深くなる、踏み跡もわからない。平泳ぎの要領で笹を手で後ろに押しやりながら体を前に進める、「やぶ漕ぎ」とはよく言ったものだ。尾根西側の笹の切れ目を通って12時45分、鹿の平に入る。一面の笹薮、右手のくぼ地には笹がなく鹿の足跡がたくさんついている。鹿ノ平の名前どおり鹿がたくさん出てくるのだろう。
南アルプス不動岳 月明 1
寸又川支流、逆河内の林道17キロのあたりから西南の方向に、なだらかな稜線を引いてよく目立つ大きな山容が見える。標高2,171㍍の不動岳だ。登山道としては水窪側から戸中の林道をたどってゲートから7キロの地点に登山口がある。5月3日、午前6時45分水窪ダムをバイクで発つ。寒い。頂上付近にはまだ雪が残っているだろう。7時30分、ゲートより5キロ標識の場所で大きな落石。バイクでも通過できない、仕方がない歩くとするか、あと2キロだけだ。少し戻って開けた場所にバイクを置いて歩き出す。落石の上を乗り越えていくが岩の断面が鋭くて手をつくのが怖い。ほどなく黒法師岳登山口、連休だからこの山に登る人はたくさんいることだろう。葵沢を渡って小屋の前で水を汲む、2リットルのペットボトル2本に水を満杯にする。ついでにおにぎりを一個腹に収める。8時15分、登山口の指導標から植林帯の中を登り始める。暑い。のどが激しく渇きそうな天候だ。荷物の重さが20キロぐらいはあるはずだ。水が4リットルにテント、シュラフ、ウィスキーがボトル一本、チーズやサラミ、鍋にコンロ。今夜は2,009㍍の鹿ノ平に泊まる予定なのでゆっくり行けばいいのだが、重さがこたえる、早く軽くしなくては。30分も登ると天然林になるが笹が姿を現してくる。汗がすごいので水をどんどん飲んでいく。4リットルあるからなくなることはないだろうが、飲む量もかなりのものだ。笹と雑木の急な登りを赤いテープの目印を頼りに進んでいく。テープがなかったらとても登れる自信はない。よく付けたものだ、どんな人たちが付けたのだろうか。11時、1,863㍍のガレの頭に出る、眺めがいい。右からバラ谷の頭、黒法師、丸盆、鎌崩(かまなぎ)とよく見える。だんだん笹が深くなり、傾斜も急になってくる、残雪も出てきだした、笹につかまりながら体を持ち上げていく。最後の急傾斜を登って12時ちょうど、鎌崩の頭に出た。少し南にいった鎌崩岳山頂にはかなりの雪がある。鎌崩の頭から緩やかに上下する尾根を北に向かっていく、雪に足を踏み入れるとスッポリ膝までもぐってしまう。雪を避けながら踏み跡とテープを頼りに尾根をすすむ。正面に鹿ノ平が見える。不動岳山頂はそのむこうだ。鹿ノ平直前で笹が深くなる、踏み跡もわからない。平泳ぎの要領で笹を手で後ろに押しやりながら体を前に進める、「やぶ漕ぎ」とはよく言ったものだ。尾根西側の笹の切れ目を通って12時45分、鹿の平に入る。一面の笹薮、右手のくぼ地には笹がなく鹿の足跡がたくさんついている。鹿ノ平の名前どおり鹿がたくさん出てくるのだろう。


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